ひいおばあさんは明治生まれで、私が大学生の時に百歳を目前にして亡くなりましたが、小さい頃から私は「うちにはひいおばあちゃんがいる」というのが自慢でした。私にとって明治時代は「自分と関係ない歴史の時代」ではなく「ひいおばあちゃんが生きていた時代」として親近感を抱く存在でした。だから私の古い物好きはひいおばあちゃんのおかげかもしれません。
ひいおばあちゃんは亡くなるまで記憶がしっかりしていて、私はよく昔の話を聞きました。亡くなった後、親族で古いアルバムを見ていた時、私が「集合写真のこの子がひいおばあちゃん」と言ったらだれも知らなくてびっくりされたこともあります。
ちょっとのほほんとして天然なところのあるおばあちゃんでした。「寝ている障子越しに明るくなったから外に出てかまどでご飯を炊いたら、いつまでたっても日が昇らん。おかしいと思ったら月の光の間違いだった。」って
どんだけうっかりさんなのっ!!
さて、思い出話はまたにして、この箪笥。古い家では廊下の片隅にあって、ほこりが1センチくらいたまって汚かったのです。となりには今も元気な祖母(まぎらわしいので「小さいばあちゃん」と言っていた)の嫁入り道具の箪笥もあり、正直そちらの方が華やかで私は好きでした。
でも祖母が掃除をしながら「私の箪笥よりひいおばあさんの箪笥の方が物が良い。私は戦後だから前部分以外の桐板が薄い。」と言ったので驚きました。
へ?そうなの?じゃあひいおばあさんのにします(現金な奴)
ひいおばあちゃんがいつ結婚したかはよく分かりませんが、大正時代の箪笥だと思います。こちらに持ってきてしばらくしてから気がつきましたが、上の段の後ろに「6円三十五銭」と書いてありました。この字を書いた人は江戸時代の人かもしれませんね。
桐箪笥の良いところは見た目と違ってとても軽いところです。そして、3つに分けられるところ。これは引っ越しの時にも便利だし、いろいろな使い方を楽しむことができます。本来は3つ重ねて使われていたのですが、見えないてっぺんにとんでもない量のほこりがたまっていたのを経験しているので、「自分の背よりも高い家具は置かない」がモットーになりました。あんなの不健康に決まってる!
引っ越し後は上と真ん中をセットにして使っていましたが、地震が来たら怖いと思い、現在は3つともバラバラに使っています。
まず、上の段は台所で食器棚になっています。以前は他の背が高めの棚を食器棚にしていたのですが、「地震が起きたら倒れてお皿が割れちゃう!」と思い、家具を変更。かがんで取らないといけないので少し面倒ですが慣れました。中のお皿のことはまた今度。
真ん中の段はリビングにしているフローリングの6畳に。
小さい引き出しの上の段はドライヤー。下の段は2軍のアクセサリーなど。
一番下の段は和室で洋服を入れています。
一人暮らしで入れるものもないので、ふすまは取り払っています。断捨離に目覚めてから服がどんどん減り、吊すタイプの服以外は1年分でこの2段に収まるようになりました。段によって「夏っぽい服」と「冬っぽい服」にアバウト~に分かれていて、段の上下を変えるのが模様替え。
押し入れの上段は布団。この和室で寝るので、寝るときにドサーと落ちてくる物があると安眠できません。左は亡くなったおじいちゃんが特別に注文したという行李。中は部屋着とか。
写真ではわかりにくいですが、上と真ん中は、前の部分を少し削ってきれいにしています。本当は業者さんに任せれば、新品同様にきれいになるようですが、高いし、新品同様になることは望んでないので、自分で100均の紙ヤスリで削りました。ちょっと削るだけでも部屋の雰囲気は変わるし、なによりも削っていると無心になってけっこうハマリますよ!
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